アクティブシニアー団塊の世代〜(2018年1月1日)元倉
敗戦後の荒廃した日本に、

爆発的に出現した団塊の世代は
(昭和22年から24年生まれ)は、
赤ちゃん時代を戦後食糧難の中
生存競争を勝ち抜いて生き延びた。
この世代の背景には、喧騒の闇市が見えてくる。

一学年10〜20クラス、50人〜60人クラス、
芋の子たちは、プレハブ校舎の中で、
国民主権・民主主義教育の洗礼を受けた。
この世代からは、DDTと脱脂粉乳のかおりがしてくる。

ある者は集団就職列車に乗って「金の卵」となり、
ある者は受験戦争を勝ち抜いて全国に学園紛争を巻き起こした。
この世代からは、「安保阻止!」「ベトナム戦争反対!」
のシュプレヒコールが聞こえてくる。
働き盛りのエネルギーを企業戦士となってバブル経済に注ぎ込み、

しかしその後激しいリストラのターゲットともなり、
この世代を中心とした自殺率は、一時期急上昇した。
この世代から、見えてくるのは苦悩の表情、
聞こえてくるのは声なき怒りである。
団塊の世代は、
戦後日本の明暗の中をがむしゃらに駆け抜けてきた象徴的世代といえる。
今、この世代は、超高齢社会の最大の構成員となった。

が、引退して孫の面倒をみるという
一昔前の高齢者のイメージを完全に塗り替えた。
自分なりの価値観、生き甲斐を持ち、
仕事にも趣味にも活躍する、
とてもじゃないが孫の面倒をみる暇はないという、
「アクティブシニア」なのである。
戦後の日本人の生き方を根底から刷新してきた団塊の世代は、
いまや老後であって老後ではない
アクティブシニアという新しい人生の総決算方法を
創り出しているのかも知れない。

<追記>
不覚にもB型インフルエンザウィルスと戦いながら新年のエッセイを書くことになってしまいました。
高熱のため思考力ゼロ。やむをえず、今回は以前の自分のエッセイを一部流用させていただきました。お許しを。